【弥生賞】デビュー2連勝のヴィンセンシオは消し ハイブリッド式消去法
八木遊

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5つのデータから絞れた馬は?
今回は日曜に中山競馬場で行われる弥生賞ディープインパクト記念を予想する。いつも通り、過去10年のデータを使って、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。
『非社台系生産』×『前走左回り』★0.0%★
まず生産牧場別データから、非社台系の牧場で生産された馬を取り上げたい。過去10年の成績は【5-4-4-50】(複勝率20.6%)で、社台系生産馬(同37.8%)と比べると複勝率はかなり離されている。特に、前走で東京をはじめとした左回りの競馬場を走っていた馬は、18頭すべてが4着以下に敗れていた。
今年はベストシーンとレディネスの2頭がこのデータに当てはまった。レディネスは2月のデビュー戦を制した1戦1勝馬。未知の魅力を感じさせるが、データに従って消去する。
【今年の該当馬】
・ベストシーン
・レディネス
『美浦所属』×『前走500kg以上or460kg未満』★4.8%★
続いては所属別データから過去10年で【6-4-3-46】(複勝率22.0%)の美浦所属馬を取り上げる。勝ち馬の数こそ【4-6-7-30】(同36.2%)の栗東所属馬を上回っているが、複勝率では大差をつけられている。
なかでも苦戦しているのが大型馬と、やや小柄な馬。前走時の馬体重が500kg以上、もしくは460kg未満の美浦所属馬に絞ると、【0-0-1-20】(同4.8%)となり、3着が1頭いるだけだった。
今年は以下の3頭がこのデータに当てはまった。C.ルメール騎手が騎乗予定のヴィンセンシオは、デビューから2連勝しており、人気の一角を担いそうだが、今回は“飛ぶ”可能性が高いとみる。
【今年の該当馬】
・ブラックジェダイト
・マイネルゼウス
・ヴィンセンシオ
『キャリア3戦以下』×『デビュー戦2着以下』★6.3%★
3つ目は、弥生賞までに使われたレース数に注目した。3歳重賞路線では、キャリアの少なさがマイナスになるイメージはあまりない。弥生賞も過去10年でキャリア3戦以下の馬が【6-8-5-42】(複勝率31.1%)で、同4戦以上の複勝率23.4%を上回っている。
ただし、前者のうちデビュー戦で負けていた馬は【1-0-0-15】(同6.3%)。16頭中1頭しか馬券に絡んでいない。
今年はファウストラーゼンとロードガレリアの2頭が消去対象となった。前者はブービー人気だった前走のホープフルSで3着に粘り込み、波乱の一翼を担った実力馬。今回も同じ中山芝2000mで行われるが、開幕2週目の綺麗な馬場で時計勝負になればやや厳しいか。
【今年の該当馬】
・ファウストラーゼン
・ロードガレリア
『美浦所属騎手』×『JRA所属10年目以下の騎手』★6.7%★
続いて、騎手データを用いて絞り込みを図る。注目したのは地元・美浦所属の騎手だ。過去10年、同所属騎手は【2-4-2-49】(複勝率14.0%)で、栗東所属騎手の【8-6-7-22】(同48.8%)とは大きな開きがある。
なかでも、JRAに所属して10年目以下の場合は【1-0-0-14】(同6.7%)。唯一の好走例は、2021年に当時5年目の横山武史騎手を背に優勝したタイトルホルダーだった。
今年は以下の3頭がこのデータに当てはまった。鞍上はあくまでも予定(4日時点)となるが、消去済みのブラックジェダイト(佐々木大輔騎手、4年目)に加えて、アスクシュタイン(横山武史騎手、9年目)とガンバルマン(原優介騎手、6年目)が消去対象となった。
【今年の該当馬】
・アスクシュタイン
・ガンバルマン
・(ブラックジェダイト)
『前走初角2番手以内』×『今回馬番7番から外』★0.0%★
4つの条件を終えて、14頭中9頭を消去した。残る5頭の取捨は、前走時の初角通過順と今回の馬番を組み合わせたデータで行う。
前走で最初のコーナーを2番手以内で通過していた馬は、【1-1-2-21】(複勝率16.0%)といまひとつ。4頭が馬券圏内に入っていたが、弥生賞ではそろって6番以内と内目の馬番だった。逆に7番から外に入った馬は、12頭すべてが4着以下に敗れている。
残った5頭のうち、前走初角2番手以内だったのはナグルファルのみ。当日、7番から外のゲートに入れば迷わず消去する。
【今年の該当候補】
・ナグルファル
全ての条件を終えて確実に残るのは、アロヒアリイ、クラウディアイ、ジュタ、ミュージアムマイルの4頭となった。このなかで最も勝利に近いのはジュタと予想する。1戦1勝で臨んだ2走前のホープフルSでは見せ場たっぷりの4着に善戦。続く前走の若駒Sでは1番人気に応えて快勝した。
皐月賞や、その先を見据える意味でも賞金を加算したいところだろう。ここを勝利し、世界のYAHAGI×坂井瑠星騎手の黄金コンビが再びホープフルS勝ち馬クロワデュノールに挑戦状をたたきつけるとみた。
本命の1着は堅いとみて、ジュタの単勝とミュージアムマイルへの馬単、さらに本命1着固定から残った馬への三連単流し(最大12点)も購入する予定だ。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。
◆前回の予想結果◆
<中山記念>
◎ボーンディスウェイ(6番人気、8着)
△エコロヴァルツ(3番人気、2着)
△クルゼイロドスル(9番人気、5着)
※◎単複、ワイドボックス→不的中
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