【弥生賞】波乱の使者に“共通点”発見 カギは「先行力」と「経験値」、今年の穴候補に浮上した2頭は
逆瀬川龍之介

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弥生賞で激走する馬の共通項
弥生賞といえば、かつては“強い馬が強く勝つ”本命党のためのレースだったが、近年は傾向が変わりつつある。
2010年以降の15回で3連単の配当を見ると、2000円未満のガチガチ決着は3回だけ。一方で6桁配当となったことが5回もある。穴党ならば、もちろん期待するのは後者だ。
そこで今回は2010年以降かつ馬場状態が良~稍重で行われた12回を対象に、単勝オッズ15倍以上で馬券に絡んだ10頭をチェック。“弥生賞の穴馬の条件”を探してみた。
(1)先行V経験
先行しての勝利経験は必須。全10頭が弥生賞以前に4角3番手以内で1勝以上していた。
弥生賞の特徴の一つがスローペースで、今回対象とした12回のうち2016年を除いた11回は前半1000mが60秒以上だった。そのため、差し一辺倒の馬では届かない場合があるのだ。
▼ 「先行V経験」に該当する登録馬
・アスクシュタイン
・クラウディアイ
・ジュタ
・ナグルファル
・ブラックジェダイト
・ミュージアムマイル
・ロードガレリア
・ヴィンセンシオ
(2)重賞含むキャリア3戦以上
幾ら人気薄でも、新馬や未勝利を勝ったばかりの馬では心許ない。穴をあけた10頭は全てキャリア3戦以上であり、2013年1着カミノタサハラを除く9頭には重賞に出走した経験があった。
なお、カミノタサハラも新馬勝ち後の2戦目に当時オープン特別だったホープフルS(現GⅠ)で3着の実績があり、重賞出走レベルの経験値は有していたといえる。
▼ 「重賞含むキャリア3戦以上」に該当する登録馬
・アスクシュタイン
・クラウディアイ
・ジュタ
・ファウストラーゼン
・ミュージアムマイル
以上の2つの関門を突破したのはアスクシュタイン、クラウディアイ、ジュタ、ミュージアムマイルの4頭だ。
このうちジュタとミュージアムマイルの2頭は単勝オッズ15倍以内が濃厚。したがって今年の“穴候補”はアスクシュタインとクラウディアイの2頭となる。
近年アツい「前走ホープフルS」組
アスクシュタインとクラウディアイに関して、この2頭のもう一つの共通項が「前走でホープフルSを走っている」こと。当時はクラウディアイが5着でアスクシュタインは6着だったが、実はホープフルSで“ほどよく負けている馬”は近年の弥生賞で要注意だ。
ホープフルSがGⅠに昇格した後、2018年以降の弥生賞では「前走ホープフルS4~9着馬」は【1-0-4-2】勝率14.3%、複勝率71.4%と優秀。2021年に単勝オッズ17.9倍で勝利したタイトルホルダーをはじめ、ボーンディスウェイやシリウスコルトが単勝オッズ15倍以上で馬券圏内に激走している。
今年の2頭も好走の可能性は相当に高いとみて、馬券は2頭の単勝を本線とする。ほか、馬連&ワイドはフォーメーションでアスクシュタイン、クラウディアイからアスクシュタイン、クラウディアイ、ジュタ、ミュージアムマイルの各5点。そして夢馬券は3連複、アスクシュタインとクラウディアイの2頭軸総流しで大穴を狙いたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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