【弥生賞】アロヒアリイを本命に抜てき 過去5年で3勝の「激アツ条件」ほか全ての好データに該当

門田光生

弥生賞の前走着順別成績(過去10回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

クラシック戦線を占う注目の一戦

9日に中山競馬場で行われる第62回弥生賞ディープインパクト記念。伝説級の名馬の名を冠した最有力トライアルだが、実はこのレースをステップとして皐月賞を制したのは2010年のヴィクトワールピサが最後だ。

これがダービーとなると、2016年マカヒキに2018年ワグネリアン、2022年ドウデュース、2023年タスティエーラと、直近10年だけでも弥生賞経由組から4頭の勝ち馬が誕生している。

ともあれ、クラシックを占う重要な一戦なのは間違いないところ。そんな弥生賞にはどのような傾向が出ているのか。今回も過去10年の傾向を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬6勝(10連対)、栗東所属馬4勝(10連対)。勝率は美浦、連対率と複勝率は栗東所属馬が優勢となっている。

所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬の出走は2016年シャララ(10着)だけ。

性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
勝ち馬が出ているのは、キャリア2~6戦の範囲。このうち勝率が最も高いキャリア2戦、連対率と複勝率が最も高いキャリア3戦をプラスデータとしたい。

キャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
前走重賞のなかで比較すると、勝率はGⅢ組が良く、連対率はGⅠ組が優勢。複勝率も抜群だ。

一方、1勝クラスからも5頭の連対馬が出ている。新馬組からは勝ち馬が、未勝利組からは馬券圏内の馬がいない。

前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
オープン以上で勝ち馬を複数出しているレースはない。その中で連対率が良いのは朝日杯FSとホープフルSのGⅠ組だ。

そんななか、勝ち馬を複数出しているのが中山芝2000mの平場1勝クラス。近5年で3頭の勝ち馬を出しているのは見逃せない。

主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
連対馬を最も多く出している前走1着馬はもちろん、複勝率が50%を超えている前走2着馬や、サンプルこそ少ないものの勝率が30%近くある前走4着馬もプラスデータとする。

なお、前走3着馬からは勝ち馬が出ておらず、前走8着以下は馬券に絡んでいない。

前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
勝率が最も高い前走1番人気、連対率と複勝率が最も高い前走2番人気がプラスデータ。前走8番人気以下から連対馬は出ていない。

前走人気,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
過去10年の勝ち馬はすべて前走馬体重が460~498kgの間だった。

458kg以下からは勝ち馬が出ておらず、500kg以上だと連対馬がいなくなる。中山は小回りの競馬場なので、大型馬と相性がよくないのだろうか。

前走馬体重,ⒸSPAIA


☆その他
前走でダートを走っていた馬、もしくは前走0.9秒差以上で負けていた馬はすべて馬券圏外となっている。

その他のデータ,ⒸSPAIA


今年も中山芝2000mの1勝クラスが熱い

弥生賞のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「キャリア2戦、3戦」
B「前走朝日杯FSかホープフルS、もしくは中山芝2000mの平場1勝クラス」
C「前走1着、2着、4着」
D「前走1番人気、もしくは2番人気」
E「前走馬体重460~498kg」

【勝ち馬なし】
F「キャリア1戦(新馬戦)、もしくは7戦」
G「前走3着」
H「前走馬体重458kg以下」

【連対馬なし】
I「前走未勝利戦」
J「前走8番人気以下」
K「前走馬体重500kg以上」
L「前走0.9秒差以上の負け」

プラスデータを勝率順に並べると下記のようになる。

<弥生賞のプラスデータ・勝率順>
50.0% B(中山芝2000mの平場1勝クラス)
28.6% C(前走4着)
18.2% D(前走1番人気)
15.6% E
14.3% A(キャリア2戦) = B(朝日杯FS)
12.2% C(前走1着)
9.4% A(キャリア3戦)
9.1% C(前走2着)
6.7% B(GⅠホープフルS)
5.0% D(前走2番人気)

登録馬14頭中、連対がないI~Lを含まないのはアロヒアリイ(ABCDE)、ジュタ(ACDE)、ブラックジェダイト(CD)(FH)、ベストシーン(E)、マイネルゼウス(FH)、ミュージアムマイル(BCDE)、レディネス(CDE)(F)の7頭。このうち、マイナスデータしかないマイネルゼウスは除外していい。

本命は5つのプラスデータをすべて持ち、マイナスデータがないアロヒアリイ。勝率50.0%かつ近5年で3頭の勝ち馬を出している強データB「中山芝2000mの平場1勝クラス」を持っているのは激アツだ。

続いて、プラスデータを連対率順に並べて相手候補を探していこう。

<弥生賞のプラスデータ・連対率順>
57.1% B(朝日杯FS)
50.0% B(中山芝2000mの1勝クラス)
35.0% D(前走2番人気)
28.6% C(前走4着)
28.1% E
27.3% D(前走1番人気) = C(前走2着)
26.7% B(GⅠホープフルS)
25.0% A(キャリア3戦)
24.5% C(前走1着)
23.8% A(キャリア2戦)

相手候補なので、勝ち馬が出ていないマイナスデータ(F~H)は無視することにする。

プラスデータ4つのジュタとミュージアムマイルが候補。この2頭の比較では、連対率57.1%のB「朝日杯FS組」を持つミュージアムマイルを上に取りたい。続く3番手はジュタでいいだろう。

4番手はプラスデータ3つのレディネス。5番手はプラスデータ2つのブラックジェダイトといきたいところだが、この馬が持っているC「前走1着」とD「前走1番人気」は、プラスデータ1つのベストシーンが持つE「前走馬体重460~498kg」よりも連対率が下だ。よって、5番手はベストシーンとする。

◎アロヒアリイ
◯ミュージアムマイル
▲ジュタ
△レディネス
×ベストシーン

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週、久しぶりに出資している馬が勝ちました。3歳馬がこの時期に勝ち上がるのは結構久しぶり。ダートでの勝ち上がりですが、昔と違って3歳のダート路線が整備されているので、今後が楽しみです。もう1つ勝って、園田の兵庫チャンピオンシップに出走してくれないかなあ。

《関連記事》
【弥生賞】デビュー2連勝のヴィンセンシオは消し ハイブリッド式消去法
【弥生賞】ミュージアムマイル、ファウストラーゼンらGⅠ好走組が中心 若駒S勝ちのジュタも要注目
【弥生賞】過去10年のレースデータ

おすすめ記事