【シルクロードS】過半数が「連対なしデータ」に合致 割引材料がないシロンが中心

門田光生

シルクロードSの前走着順別成績(過去10回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

「GⅠへ続く道」

2025年2月2日に京都競馬場で行われる第30回シルクロードステークス。近10年で高松宮記念(GⅠ)の勝ち馬の半分がシルクロードSから出ている(京都開催のシルクロードSからは4勝)。シルクロードは「絹の道」だが、競馬の世界では「GⅠへ続く道」といえるだろう。

そんな当レースにはどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
勝ち馬10頭は、すべて栗東所属。美浦所属馬は2着が3頭、3着が4頭。出走頭数で差があるとはいえ、美浦所属馬も46頭が出走しているのだから、勝ち馬なしというのは気になる。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬が6勝(13連対)、牝馬4勝(7連対)。勝率と連対率は牝馬、複勝率は牡馬が上だが、大きな差はなく互角としたい。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
4~7歳で最も出走頭数が少ないのは4歳馬だが、最も多い5頭の勝ち馬を出している。勝率、連対率、複勝率もトップだから、文句なしのプラスデータだ。8歳以上から連対馬は出ていない。

牡馬は各年齢からまんべんなく勝ち馬が出ているが、牝馬で勝ち馬が出ているのは4歳と6歳だけ。5歳牝馬は勝ち馬がおらず、7歳以上の牝馬は1頭も馬券に絡んでいない。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
3勝クラス、もしくはリステッド競走を走っていた馬から勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
京阪杯組は4勝をあげているが着外も多く、勝率、連対率、複勝率は強調するほどではない。

一方、不振なのは淀短距離S組。リステッド格付けになってから【0-0-1-23】とそれなりの頭数が出走しているが、連対馬が出ていない。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走で掲示板(5着以内)に入った組を比較すると、前走2着・4着・5着馬の勝率と連対率の高さが目立つ。反対に同3着馬、そして6~9着馬からは勝ち馬が出ていない。

前走10着以下からは1頭勝ち馬(2018年ファインニードル、前走12着)が出ているが、勝率や連対率は低い。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走5番人気と6番人気馬の連対率の高さが目立つ。一方、前走4番人気、そして9番人気以下から連対馬は出ていない。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
黒鹿毛の馬は37頭出走しているが、2着が1回あるだけで、あとはすべて着外。また「前走0.9秒以上の差で負けた」「前走1600m」「中1週」に該当する馬はすべて着外となっている。

その他のデータ,ⒸSPAIA


マイナスデータなしは2頭だけ

シルクロードSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「4歳馬」
B「前走2、4、5着」
C「前走5番人気か6番人気」

【勝率ダウン】
D「前走10着以下」

【勝ち馬なし】
E「美浦所属」
F「5歳牝馬」
G「前走3勝クラス、もしくはリステッド競走」
H「前走3着、もしくは6~9着」
I「黒鹿毛」

【連対馬なし】
J「8歳以上、牝馬は7歳以上」
K「前走淀短距離S」。
L「前走4番人気、もしくは9番人気以下」
M「前走0.9秒以上の負け」
N「前走1600m」
O「中1週」

今回はマイナスデータが多く出てきた。連対馬が出ていないデータも6つとなっている。登録馬18頭中10頭が、連対馬が出ていない「J~O」に該当していた。

残った8頭で、そのほかのマイナスデータに当てはまらなかったのは、シロンとビッグシーザーの2頭だ。シロンはメンバー中最多となる2つのプラスデータを持っている。本命でいいだろう。

ビッグシーザーはプラスデータを1つも持たないが、今回に限ってはマイナスデータを持たない馬が貴重なので、相手の筆頭としたい。

3番手以下だが、まずはプラスデータを連対率順位に並べてみる。結果は、C(前走5番人気)>B(前走4着)>B(前走5着)=C(前走6番人気)>A>C(前走2着)となった。

残る6頭で、プラスデータを持っているのはカピリナ(A)、セントメモリーズ(A)、ペアポルックス(A)、レッドアヴァンティ(C)の4頭。なかでもレッドアヴァンティが持つC「前走5番人気」は連対率が45.5%もある強データ。3番手とする。

残る3頭はいずれもA「4歳馬」で、少し弱いプラスデータ。3頭のうち、カピリナとペアポルックスはマイナスデータが2つ。一方、セントメモリーズはマイナスデータが3つもある。よって、セントメモリーズは脱落となる。

あとはカピリナ(前走3勝クラス)とペアポルックス(前走リステッド)の順番をどうするか。ともに勝ち馬が出ていないデータだが、3勝クラスの連対率9.1%はリステッドの同3.3より高い。というわけでここは△カピリナ、×ペアポルックスの順番としたい。

◎シロン
◯ビッグシーザー
▲レッドアヴァンティ
△カピリナ
×ペアポルックス

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
地方競馬で担当している兵庫競馬は、先週から姫路競馬がスタート。毎年、長い通勤時間を有意義に使おうと考えるのですが、寝る以外に何も思いつきません。

《関連記事》
【シルクロードS】ビッグシーザー、ウインカーネリアンに割引データ ピューロマジックは京都なら一変
「単回188%」藤岡佑介騎手×小倉がアツい 小回り芝コースで狙える種牡馬と騎手を調査
【シルクロードS】過去10年のレースデータ

おすすめ記事