【金鯱賞】前走同距離組は単回収率527%の好成績! 復活したラヴェルの連勝に期待
貴シンジ

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は16日に中京競馬場で行われる金鯱賞について、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目に見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった11頭を検討対象とし、データは過去10年分を使用する。
重要データ:前走同距離の馬に注目
金鯱賞は大阪杯のGⅠ昇格とともに2017年から3月の中京開催となり、大阪杯の前哨戦の中では例年最もレースレベルが高くなる中距離重賞として定着しつつある。
今年も複数の重賞馬が登録しており、少頭数ながらハイレベルな一戦になりそうだ。そんな金鯱賞で重要視したいデータが、「前走距離」の比較だ。
今回が距離短縮となる馬は【4-4-5-43】で単勝回収率17%、複勝回収率50%に留まり、反対に距離延長となる馬も【0-2-0-17】で単勝回収率0%、複勝回収率51%といずれも数値は高くない。
そのなかで注目したいのが、前走同距離の馬。その成績は【6-4-6-32】単勝回収率527%、複勝回収率124%と非常に優秀だ。今回も金鯱賞と同じ2000m戦からの臨戦となる馬を狙いたい。
2走前にコックスプレートで2着と好走し、今回も上位人気が予想されるプログノーシスは前走が有馬記念(中山芝2500m)のため、このデータに該当しない。
【前走2000mの出走予定馬】
・アスクドゥポルテ
・クイーンズウォーク
・デシエルト
・ホウオウビスケッツ
・マイネルモーント
・ラヴェル
前走の内容:ラヴェルのチャレンジC
ラヴェルの前走はチャレンジCで1着。馬場は内外にそこまで大きな差はなく、展開次第でどちらからでも勝負できそうな状態だった。
ラップは前半5F58.4秒、後半5F59.8秒と前傾1.4秒のハイペース。前に付けた馬にはかなり厳しく、中団からじわっと進出したラヴェルにとっては有利とまではいかずとも自力で勝負できる展開だった。
折り合いが課題で3走前までスランプ気味だったが、2走前のエリザベス女王杯で12番人気2着と激走。そこから少し流れが変わり、前走は距離短縮かつ速い流れになったこともあってしっかり折り合えた。
今回も折り合いさえつけば前走ほどのパフォーマンスは発揮できるとみて、初のGⅡ勝ちに期待したい。
血統解説:ラヴェル
・ラヴェル
日本での牝祖は10代母シユリリー。3代母キョウエイマーチを根幹としてファミリーが栄え、バーデンヴァイラーやマルシュロレーヌの姪にあたる血統だ。
母サンブルエミューズは母母ヴィートマルシェやその母キョウエイマーチほど一本調子なタイプではなく、ギアを兼ね備えたタイプ。ラヴェルは父にキタサンブラックを迎えた牝馬のため、持続性能が高く、長く良い末脚を使うことができる。2歳時に重賞を勝っているが、早熟というよりむしろ晩成型だ。
折り合いがつくようになり、心身ともに充実してきた。ようやく本格化してきたとみる。前走に引き続き、今回も好走に期待したい。
Cアナライズではラヴェルを推奨
今回のCアナライズではラヴェルを推奨する。
折り合いに課題があり、持っているものを発揮しきれないレースが続いていたが、エリザベス女王杯から一気に良化。前走はベストなパフォーマンスを発揮できていた。
まだ半信半疑なファンも多いとみて、今回を逃さず買っておきたい。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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