【金鯱賞】3連覇狙うプログノーシスに「過去8年で3勝」の好データ 複勝率71.4%の白富士Sからはマイネルモーントが参戦

三木俊幸

2025年金鯱賞に出走するプログノーシス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

参考レースを振り返る

大阪杯や香港のクイーンエリザベスⅡ世Cなど、GⅠに向けた前哨戦でもある金鯱賞(GⅡ・芝2000m)。今年はプログノーシス、デシエルトなど11頭が登録した。

ここでは3月開催となった2017年以降、過去8年のデータとともに主な参考レースを振り返っていく。

有馬記念【データ:A メンバーレベル:A】

過去8年の成績【3-0-1-9】勝率23.1%、連対率23.1%、複勝率30.8%

レースはダノンデサイルが逃げる形となる。序盤から12秒台のラップが続き、700m〜1100m区間は12.4-13.3とペースが一気に落ちる超スローとなり、各馬が一団となっていた。ゴール前は好位で脚を溜めていたレガレイラと、中団から外を回して伸びたシャフリヤールが馬体を併せての追い比べとなったが、ハナ差で3歳牝馬のレガレイラが勝利。勝ちタイムは2:31.8だった。

伸び上がったタイミングでゲートが開いたプログノーシスは出遅れ、後方2番手のインを追走。最後の直線は馬群の間から伸びるかと思われたが、前との差は詰めきれず11着に終わった。序盤で折り合いの難しさを覗かせており、やはりベストは2000mという印象。これまでの走りからも中京芝2000mへの適性は文句なし。西村淳也騎手との初コンビで金鯱賞3連覇を狙う。

白富士S【データ:A メンバーレベル:C】

過去8年の成績【2-0-3-2】勝率28.6%、連対率28.6%、複勝率71.4%

スタートしてハナを奪ったのはマイネルモーントだったが、向正面に入ると抑えきれない感じでシュトラウスが先頭へと入れ替わった。同馬が先頭に立った600m地点からは12.3-12.0-12.0-12.0と淡々としたラップを刻んで直線へ。ゴール前こそやや脚色が鈍ったが、そのままシュトラウスが押し切り。勝ちタイム1:59.1で復活の勝利をあげた。

同レースから金鯱賞に参戦するのは2着だったマイネルモーント。シュトラウスにハナを譲ってから一旦4番手までポジションを下げたが、直線では最内からジワジワ伸びて1.1/4馬身差だった。2走前の中山金杯では中団追走から2着に好走など、展開に応じたレースができる自在性が強み。相手強化となるが着実に地力はつけている。

中日新聞杯【データ:B メンバーレベル:B】

過去8年の成績【1-1-0-4】勝率16.7%、連対率33.3%、複勝率33.3%

スタンド前の先行争いを制してハナを奪ったのは、ハンデ58kgを背負っての出走となったデシエルト。1000m通過58.8のマイペースで飛ばし、隊列は縦長となった。そのまま直線に向くと、坂を駆け上がっても脚色は衰えず、後続に影を踏ませぬ強さで逃げ切り。勝ちタイム1:58.4で重賞初制覇を飾った。

2馬身差で2着に負かしたロードデルレイは次走の日経新春杯を制し、3着のマテンロウレオはAJCCで2着に好走と上位馬は結果を残している。今回は少頭数ながらさらにワンランク上のメンバーが揃ったが、単騎で自分のラップを刻むことができれば押し切れる能力は秘める。

中山金杯【データ:C メンバーレベル:C】

過去8年の成績【0-1-1-4】勝率0.0%、連対率16.7%、複勝率33.3%

スタンド前の先行争いを制したクリスマスパレードがハナを奪い、1000m通過は58.7と流れた。中団のインをロスなく立ち回り、4角から徐々に外へと持ち出されたアルナシームが力強い脚で突き抜けて勝利。勝ちタイムは1:58.1だった。

このレースからは9着のホウオウビスケッツが挑む。前走は大外枠からトップハンデの59.5kgを背負っての出走。くわえて、11秒台後半のラップが続く流れのなか、逃げ馬をマークして2番手追走と展開も厳しくなってしまった。

今回はデシエルトがおり、再び番手に控える形となる可能性はあるが、天皇賞(秋)3着という実績からも力を出し切れば上位争いに加わってくるだろう。

2025年金鯱賞に出走するホウオウビスケッツ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


チャレンジC【データ:C メンバーレベル:C】

過去8年の成績【0-0-1-2】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率33.3%
※芝2000m・別定戦の2017年開催以降

アウスヴァールが外枠から勢いよくハナを奪うも向正面に入るとバビット、ルペルカーリアが前へと接近。3頭が並んで1000mを58.4というやや速い流れで通過する。中団でレースを進め、4角から直線に向いたところでは2番手までポジションを押し上げたラヴェルが残り200mで前を捉え、後続に1.3/4馬身差をつけて完封。勝ちタイムは1:58.2で決着、2走前のエリザベス女王杯で2着と好走した力は本物だったことを証明した。

近2走の好内容からも、ある程度の流れで引っ張ってくれそうなデシエルトやホウオウビスケッツの存在はラヴェルにとって歓迎と言える。立ち回りの上手さと持久力を武器に好勝負を期待する。

2025年金鯱賞に出走するラヴェル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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