スプリングSは中穴狙いが吉 近10年の傾向に合致した鉄板級軸馬と穴候補2頭
逆瀬川龍之介

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人気馬と穴馬で異なるトリセツ
大波乱は少ないが、人気馬同士でも決まらない─。スプリングSの配当傾向を一言でいえば、こんな感じだろう。過去20回の3連単を見ると、4桁配当と6桁配当はともに3回ずつ。残りの14回は1万円~7万円の間に収まっている。今年も主役不在の混戦模様。そこで近10年の傾向を徹底的に分析し、中穴ゲットを目指してみよう。
スプリングSの大事なポイントは、人気馬と伏兵でトリセツが異なることだ。まずは人気馬から。5番人気以内は【8-8-5-29】の勝率16.0%、複勝率42.0%だが、キャリア別に見ると面白いことがわかる。
キャリア2戦(※5番人気以内にキャリア1戦の馬は0頭)の馬は【4-2-1-1】の勝率50.0%、複勝率87.5%。15年(1着キタサンブラック、2着リアルスティール)と23年(1着ベラジオオペラ、2着ホウオウビスケッツ)に該当2頭でワンツーを決めるなど、驚異的な成績を残している。
一方、キャリア3戦以上の馬は【4-6-4-28】の勝率9.5%、複勝率33.3%。20年以降に限ると【1-2-2-15】だから、かなり物足りない。したがって軸には”5番人気以内、かつキャリア2戦以下の馬”を据えるのが正解となる。
では、伏兵はどうか。6番人気以下で馬券に絡んだ9頭をチェックすると、2つの”必須条件”が見つかったので紹介したい。
(1)前走が1勝クラス以上、かつ4着以内
該当9頭中8頭は前走が1勝クラス以上、かつ4着以内だった。唯一の例外は22年3着のサトノヘリオスだが、前走はGⅠのホープフルS(13着)だったので情状酌量の余地あり。新馬や未勝利から挑む馬、さらには前走で大敗している馬は大きく割り引きたい。
(2)上がり3F・2位以内で連対経験あり
該当9頭全てに上がり3F・2位以内で連対経験があった。新馬or未勝利、あるいは条件級で最低限の決め手を示せていないなら、重賞では厳しい。
条件に合致した穴候補は2頭
今年の出走馬を見ていこう。人気が読みづらいが、2戦2勝のマテンロウバローズは5番人気以内に推される可能性が高く、この馬を軸に据えるのが正解だろう。
一方の伏兵だが、「前走が1勝クラス以上、かつ4着以内」「上がり3F・2位以内で連対経験あり」の2つの条件を満たす馬はフクノブルーレイク、マテンロウバローズ、レーヴブリリアントの3頭。このうちマテンロウバローズは前述の通り、5番人気以内が必至なので、フクノブルーレイクとレーヴブリリアントを穴候補としたい。
前者は中山巧者で鳴らしたウインブライトの産駒で、実際に当地で未勝利を勝っている。実績では見劣るが、いかにも3着に食い込んできそうなタイプだ。一方の後者は先週の1勝クラスを勝ったばかりとあって出否が微妙。若き知将・田中博康調教師の管理馬なので、連闘でも出走となれば要注意だ(水曜時点では参戦が濃厚とのこと)。
実は、スプリングSは目下5年連続で「5番人気以内2頭+6番人気以下1頭」の組み合わせで決まっている。したがって馬券は3連複フォーメーションでマテンロウバローズ→フクノブルーレイク、レーヴブリリアント→5番人気以内の計8点に絞る。押さえでマテンロウバローズの単勝、さらには馬連&ワイドでマテンロウバローズ→フクノブルーレイク、レーヴブリリアントの各2点も買いたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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