【金鯱賞】本命は「データで死角なし」デシエルト 相手筆頭は好材料多数のクイーンズウォーク

門田光生

金鯱賞の前走馬体重別成績(過去8回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

白富士S組は複勝率71.4%

16日に中京競馬場で行われる第61回金鯱賞。60回を超える歴史のあるレースだが、創設当時は砂馬場で行われていた。ハンデ戦から別定戦になったり、時期も5月、12月、そして現在の3月だったりと様々。ただし、金鯱は名古屋城のシンボルなので、場所は代替開催でなければ中京競馬場で固定されている。

上記の通り金鯱賞は条件が変わりやすいレースのため、今回は今の時期に移行した2017年以降の過去8回をもとに検証していきたい。

☆所属
勝ち馬はすべて栗東所属馬。美浦所属馬は2着2回、3着2回だけ。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬(セン馬含む)が8勝。牝馬は2着3回だが、連対率と複勝率は、牡馬とほぼ同じような数字となっている。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
勝利数、連対数、そして勝率、連対率、複勝率で4歳馬がトップ。高齢馬が苦戦の傾向となっており、7歳以上で連対したのは2018年の2着馬サトノノブレス(8歳)だけ。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
今年は該当馬がいないが、海外帰りの馬の好走率が目立つ。連対率が27.3%ある前走GⅠ組も悪くないが、GⅡ組(該当馬21頭)からは連対馬が出ていない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
有馬記念組から最多となる3頭の勝ち馬が出ている。続くのは白富士Sの2頭。白富士S組はOP特別時代も含めて複勝率が71.4%と、かなりの高確率で馬券に絡んでいる。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
勝率が30.0%の前走4着馬と、連対率が42.9%の前走5着馬がプラスデータ。掲示板組の比較では、前走3着馬から勝ち馬が出ていない。

また、前走10着以下から3着以内に巻き返したのは、2018年2着のサトノノブレスと同年3着のサトノダイヤモンドだけ。この2頭は、ともに前走が海外のレースだった。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走0.2秒差以内で負けた馬が7連対。勝率、連対率、複勝率もよく、巻き返す確率が高い。0.9秒差以上で負けた馬から勝ち馬は出ていない。

出走馬の前走着差(2着以下),ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気馬が勝率、連対率でトップ。前走3番人気馬の連対率28.6%もプラスデータといえる。前走4番人気と5番人気、そして10番人気以下から勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
勝ち馬8頭は、すべて前走馬体重が470kg以上だった。うち5頭が500kg以上。大型馬が強い傾向となっている。

出走馬の前走馬体重,ⒸSPAIA


☆毛色
以下は参考データとする。栗毛の好走率が高い。芦毛から勝ち馬は出ていないが、サンプルは少ない。

出走馬の毛色,ⒸSPAIA


割引材料なしのデシエルト

金鯱賞のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「4歳馬」
B「前走GⅠ、もしくは白富士S」
C「前走5着」
D「前走0.2秒差以内の負け」
E「前走1番人気、もしくは3番人気」
F「前走馬体重500kg以上」

【勝ち馬なし】
G「美浦所属」
H「牝馬」
I「7歳以上」
J「前走10着以下」
K「前走0.9秒以上の差で負け」
L「前走4番人気」
M「前走馬体重469kg以下」

【連対馬なし】
N「前走GⅡ」

プラスデータ「A~F」を勝率順に並べると、E(前走1番人気)>B(前走白富士S)=C(前走5着)>D>B(前走GⅠ)>A>F>E(前走3番人気)となる。

連対馬なしのN「前走GⅡ」に該当するキングズパレス、ディープモンスター、ライラックの3頭は脱落。残った8頭で検証していく。

勝ち馬なしの「G~M」を持たないのは、アスクドゥポルテ(-)、デシエルト(EF)の2頭だけだ。

デシエルトの持つE「前走3番人気」とF「前走馬体重500kg以上」は、勝率でいうと下から1、2番目。確率的には低いが、プラスはプラスだ。押し出されての本命となる。

アスクドゥポルテは、プラスデータなしなので、印を入れるか迷うところ。ひとまず保留にしておく。

残った6頭の中から相手候補を探す。今度は、プラスデータを連対率順に並べてみる。結果は、C(前走5着)>D>A>E(前走1番人気)>B(前走白富士S)=E(前走3番人気)>B(前走GⅠ)>Fとなった。

ここでは、勝ち馬なしの「G~M」は無視して進める。6頭のうち、プラスデータが最も多いのは、クイーンズウォーク(AEF)の3つ。数としては本命のデシエルトより多い。相手筆頭でいいだろう。

続いてマイネルモーント(BD)の2つ。B「前走白富士S」もD「前走0.2秒差以内の負け」も、連対率が30%前後の優秀なデータで、マイネルモーントを3番手とする。

プラスデータ1つはプログノーシス(B、前走GⅠ)、ホウオウビスケッツ(F、前走馬体重500kg以上)、ラヴェル(E、前走3番人気)。上述の連対率順から、4番手ラヴェル、5番手プログノーシス、6番手ホウオウビスケッツとなる。

印が11頭立て中の6つと過半数を超えたので、保留していたアスクドゥポルテはノーマークにしたい。

◎デシエルト
◯クイーンズウォーク
▲マイネルモーント
△ラヴェル
×プログノーシス
×ホウオウビスケッツ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
姫路開催が終了し、園田競馬が再開。体力と財力を考えると、圧倒的に園田の方がいいのですが、姫路は姫路で、いいところがたくさんあります。先立つものがあれば、もっと探索できたのですが……。それは来年の宿題ということで。


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